はじめに

〈此は『伝記』では無い。最初に明言しておく。〉

川場康成は大阪の人である。
昔なら、康成は、摂津国天満此花町を「生まれ在所として」、呱々の声を上げた。時に、明治三十二年子の歳の事である。いや当時の人も、もそう書いたであろう。人の『コア(核)』は、凡そ二歳から四歳歳までに形成されるという。

ところで『コア(核)』とはどのように形成されたか。両親の早世のため難しいが、すくなとも環境を語ることで埋めることはできると考えている。環境とは文化そのもの総てをいう。匂いであり、音である。

例えば、『表層文化と基層日本伝統文化』関する書籍は何でも読み、非差別民(流民・娼婦)には相当数比重をかけた読んだ。また視点は変わるが、仏教の唯識「表層意識と深層意識」にはのめり込んだ。とりわけ順不同で挙げれば郡司正勝氏の著作群、廣末保氏の「悪場所」三部作、諏訪春雄氏の著作、それから落飾の方々にお教えいただいた。
唯、映像なので、映像だけでしか伝えられない事だけにかぎった。映像のみつたえるこもあると確信している。以下は論文に拠る。

以下、大阪府下時代、東京時代、鎌倉時代と分けてある。